UTAU用音源の録り方講座3

録音が終わったら

 録音が終わったからUTAUのvoiceフォルダに完成したフォルダを放り込めば歌ってくれる…!とはなりません。
 原音設定(によって作られるoto.iniファイル)、というものが必要になります。
 簡単に言うと、UTAU上で「あ」を指定されたらこのファイルのこの範囲を再生する、といったことを指定する作業になります。
 原音設定は主にsetParamというフリーの専門ソフトを使って行います。
 原音設定は正直根気がいる&ちょっと難しい作業なので、最初のうちは誰かに依頼するのをおすすめします。
 ココナラのようなサイトやTwitter上で有償依頼を受け付けていることが多く、相場は一音階1000円(単独音)~3000円(連続音・CVVC)程度。
 時間もあるし自分で原音設定頑張るよ!という場合は、
・まずsetParamをブログからダウンロードし、
・単独音・連続音はsetParamを用いた原音設定の解説を参考にしながら自動推定してから、小春音アミ配布所内の原音設定講座
・CVVCは原音設定テンプレ吐き出す君「mkototemp」で自動推定してから、上記の原音設定講座やきみがため Lab.内のCVVCの原音設定講座ATSUYA様の原音設定本(有料)
このあたりを参考にしながら設定するのがおすすめです。

 とは言え最初は特に大変なので、いちくらの方限定で黒塚が(最低一度は)無償で原音設定を代行しようかなぁと思います。時間は多少かかるかもしれませんが、それでも良ければ黒塚まで気軽に声をかけてくださいね。
 基本的には録った音源ファイルすべてをzipにまとめて、アップローダーなどを経由して渡してくれると助かります。
 その時メモ帳なんかで使った録音リストとガイドBGMを教えてくれるとさらに助かります。
 もし無償で頼むのは気が引ける…って方が居れば、Amazonの欲しいものリストやAmazonギフト券なんかをくれると喜びます。
 もしくは闇塚黒逸のイラストや黒逸に歌わせてみた音源なんかでもめちゃくちゃ喜びます。むしろそっちの方が嬉しいです。

よしUTAUで歌わせよう!


下準備


 実はUTAU、インストールするときにちょっとした罠があるので、「UTAUをインストールするまえに!」0から始めるUTAU調声①を一通り追っていくのをおすすめします。
 UTAU本体と好きな楽曲のust(楽譜のような役割を果たすUTAUのファイル。ニコニコ動画などで配布されていて、ボカロ曲が多いかも)、
 「おま☆かせ2020」と、CVVCの場合は「autoCVVC」又は「presamp」を、それぞれダウンロード&インストールしましょう。
 そして原音設定まで終えた自作音源のフォルダを、UTAUフォルダ内にあるvoiceフォルダの中に移動させます。
 この時自作音源のフォルダ内に「character.txt」を作りましょう。
 以下の内容を記入したShift-JIS(PC版日本語)≒ANSIのテキストファイルを作ります。
(Shift-JISとか分からんわ!って場合は配布されている音源をダウンロードしてきて、character.txtを複製しちゃいましょう)

name=(キャラクター=音源の名前)
image=icon.bmp(同梱するアイコン画像のファイル名)
author=(著作者=中の人の名前)
web=(配布サイトなどがある場合はここにURL)

詳しくは原音のプロパティについてを参照してみてください。

 nameの部分だけでも設定することで、音源を一覧から探しやすくなるのでおすすめです。

実際に歌わせてみよう

 UTAUを起動して、歌わせてみたい曲のustをD&D。
 おそらく「プロジェクトの設定」というウィンドウが出るので、「原音ファイルセット」の欄をクリックして自分の音源を探します。
 出なかった場合は画面上の「プロジェクト」→「プロジェクトのプロパティ」から同様の画面が開けるので、そこから設定しましょう。
 もし「生成時オプション」の欄に何か英数字が書いてあったら、今回はとりあえずすべて消しちゃいましょう。生成時オプション内にある英数字はフラグと呼ばれる、音をどれだけ加工するかという数値なので、素の音源の声が聞けなくなってしまいます。
 もしかしたら「ツール1」「ツール2」の欄が赤く表示されているかもしれません。その場合は右下の「ツールを初期化」を押してください。
 ここまで出来たら「OK」を押します。

 そうしたら歌詞などは違うでしょうが、以下のような画面になったのではないでしょうか?

 次に上の画像の赤丸で囲んだところ、右上の「Mode2」と左下の「~」ボタンをクリックします。

 歌詞の部分の表示が少し変わりました。この状態で基本的に操作していきます。

 まず以下の作業を行います。
01.「編集」→「全て選択」を押したら、歌詞の上で「Ctrl+右クリック」をして「SuffixBroker」を開く。何も変更せず、そのまま「OK」を押す。
02.全て選択した状態で、歌詞の上で「右クリック」をして「複数選択のプロパティ」を開く。「クリア」を押して、「Flags」を空欄にして、「STP」欄に空白を入力する(スペースキーを押す)。
03.CVVCの場合、全て選択した状態で「ツール」→「プラグイン」から「autoCVVC」を選んで「CVVC」を選択、実行を押す。
04.全て選択した状態で、プラグインから「おま☆かせ2020」を選んで、
 ・単独音の場合は歌詞→「単独音に変換する」
 ・連続音の場合は歌詞→「連続音に変換する」
 ・CVVCの場合は歌詞のチェックを外す
をそれぞれ選んで「OK」を押す。
05.とりあえず見える範囲を歌詞に被らないようにドラッグして、上部中央あたりにある「▶(選択部分を再生)」を押す。
06.歌ってくれる✌(’ω’✌ )三✌(’ω’)✌三( ✌’ω’)✌

 どうでしょう。無事に歌ってくれたでしょうか?
 手順が少し多いですが、ダウンロードしてきたustで確実に歌わせるために必要な工程なので、根気良く付き合っていただけると助かります。
 ですが実際には01、02の工程は必須ではありません。
 01はサフィックスと呼ばれる接尾辞が歌詞内で使われていなければする必要がありません。
(「あ」「- あ」「a あ」「a k」などの場合は不要。「あS」「- あ強」「a あ_C4」など歌詞の後ろに文字がついている場合は必要)
 02は「先行発声」「オーバーラップ」「Flags」「STP」がすべて空欄の場合は飛ばして構いません。

 もしかすると歌ってくれたけど凄く高くて苦しそう、低すぎて何を言ってるか分からない、なんて状態かもしれません。
 その場合は全て選択した後、歌詞の上で上下にドラッグして音程を変更してみましょう。
 この時ちょっと位置をミスると音量が上下してしまうので注意しましょう。
 編集から「選択部分を数値で移動」を選んで、1オクターブ上なら「12」、1オクターブ下なら「-12」を入力するのも楽です。

あとがき

 さて、一通りですが必要最低限のことをまとめて書いてきました。
 どうでしたでしょうか。長いし分かりづらいところも多かったのではないでしょうか、すみません。
 もし分からないことなどありましたら、気軽に黒塚まで質問して下さい。遅くなるかもしれませんが、出来る限り答えます。
 今回はいちくら民にUTAUをやる人、特に中の人を増やすというテーマでやってきました。
 少しでも興味がわいた方は、是非挑戦してみてください。
 それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。
 
 書いた人:闇塚/黒塚朔

 
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