群青に許しを請うた

 青を見る度に、思い出す人がいる。
 私をきっと恨んでいるだろう、その人を。
 それでも、恨まれても、私は救いたかった。解放したかったのだ。あの人を。
 手段は最悪だっかもしれない。もっといい方法があったかもしれない。でもあの時は、それしか思いつかなくて。
 きっと傷付けた。きっと苦しめた。
 それでも、幸せになって欲しかった。

 どうか、この思いが独り善がりなものでありませんように。

巡々三十題「群青に許しを請うた」

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